人首と書いて何と読む寒さかな
[表] 吟 碧梧桐 人首と書いて何と読む寒さかな 明治丗九年十弐七日 当地訪ねし折の句也 [裏] ※未読 [説明] 三千里の旅の途次、碧梧桐が人首の地を訪れた時の句。 「十二月七日。半晴。 きょうは十三里の道を遠野に行く予定である。人首まで六里を車行ときめた。七時半出発。(...
人首と書いて何と読む寒さかな
阪を下りて左右に藪あ里栗おつる
天下の句見守りおはす忌日哉
草をぬく根の白さにふかさに堪へぬ
銀杏寺をたよるやお舩納涼の日
瀬戸に咲く桃の明方の明日の船待つ
汐のよい船脚を瀬戸の鷗は鷗づれ
島に住めば柑子沢山な正月日和
温泉めぐりして戻りし部屋に桃の活けてある
温泉めぐりして戻りし部屋に桃の花活けてある
赤い椿白い椿と落ちにけり
さくらいけた花屑の中から一枝拾ふ
元日の雪降る城の景色かな
門構へ小城下ながら足袋屋かな
漁家三四菊うゑて松の中にあり
一枝に一輪十六日桜かな
闇中に山ぞ聳つ鵜川哉
釣舟見れバ鱚乃つりたく波足洗ふ