
三千里 俳句一覧
「三千里」の旅で詠まれた碧梧桐の俳句を月別にご紹介。
今日何詠んだ?自分の誕生日に何詠んだ?を見てみましょう。
※碧梧桐は三千里の旅中、雑誌『日本及び日本人』に連載の「一日一信」と、雑誌『懸蒼』に連載の「旅中吟」に俳句を掲載していました。それらは『三千里』としてまとめられました。
※場所は、碧梧桐がその日の夜にいた場所であり、必ずしも俳句が詠まれた場所ではありません
参考図書:
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河東碧梧桐著『三千里(上)』『三千里(下)』講談社学術文庫
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河東碧梧桐著『続三里(上)『続三里(中)』』『続三里(下)』講談社
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河東碧梧桐著「続旅中吟」『懸葵』懸葵発行所 明治42年11月号~
更新状況:2024.3.17 三千里及び続三千里すべての俳句を掲載しました。(未校正)
1月1日
三千里(陸奥上北郡沢田村)M40
続三千里(出雲能義郡赤江)M43
続三千里(摂津宝塚)M44
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蔵め置きて家の宝の蒲団かな
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貧しさのやもめ蒲団を著せ申す
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持ち去る事勿れと塾の蒲団かな
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端よごれせし侘しさや絹蒲団
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俳句無し
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俳句無し
1月2日
三千里(陸奥上北郡沢田村)M40
続三千里(出雲能義郡赤江)M43
続三千里(摂津宝塚)M44
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風呂立つと又た言伝や寒の入り
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鮭鱒の孵化のさかりや寒の入
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股榾の股こがり雪や焔々裏
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染めやうを抓み布など榾埃
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榾主が火遁の詭弁弄ぶ
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積榾の藪の雪蹼ある鳥が
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古碑の里にうつくし妻が宿榾や
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飼猿が智惠榾や鉈かくしたり
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建て好みして庭冬木茸見る日
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信心の削り冬木や腕塚に
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宮冬木砂持の通ふ道となり
1月3日
三千里(陸奥上北郡沢田村)M40
続三千里(出雲安来)M43
続三千里(摂津宝塚)M44
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俳句無し
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旗手山の松寒し裸山の中
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俳句無し
1月4日
三千里(陸奥上北郡沢田村)M40
続三千里(出雲能義郡赤江)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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俳句無し
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箇条論に置娼の一つ返り咲く
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避難港にかゝる旗亭や返り花
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有徳者に後妻の狂い咲く花か
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一封は遺書一封は何返り花
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返り咲くや埋葬地悔ゆ詣る毎に
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返り咲く梨も木仕立てによることか
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俳句無し
1月5日
三千里(陸奥上北郡沢田村)M40
続三千里(出雲能義郡赤江)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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煤水に海鼠雑巾氷りけり
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煤掃や鱗鳳閣は古本屋
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煤を掃く日に織りつまる機のあり
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餅臼に杵のあらぬや煤払
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煤掃の焚火や竹の爆く音
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首尾を裁つ添削の文は海鼠かな
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客の知る橘酒と別に海鼠だためり
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海中の木醂しに下がる海鼠かな
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俳句無し
1月6日
三千里(陸奥野辺地)M40
続三千里(出雲安来)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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俳句無し
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俳句無し
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俳句無し
1月7日
三千里(陸奥野辺地)M40
続三千里(出雲能義郡赤江)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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股凹に燃えべりのして根榾かな
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鷲の羽を宿の箒や榾埃
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物積んで奥ある家や榾明り
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若者をどやす榾火のあるじかな
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家ぢうを烟らす風の榾火かな
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俳句無し
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俳句無し
1月8日
三千里(陸奥野辺地)M40
続三千里(出雲能義郡赤江)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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吹きまはす浦風に霰霙かな
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帆渡りの島山颪霰かな
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カラ/\な藻草に溜る霰かな
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晴れつゞく今日に片時の霰かな
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足さながら駕籠を落ち行く時雨かな
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しぐるゝや余談に当時秘めしこと
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蓮月を時雨小寺に据ゑしとも
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茎洗ひの刃物を誰か井柱に
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莖洗ふ家ならひ干棗ある
1月9日
三千里(陸奥野辺地)M40
続三千里(出雲能義郡赤江)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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翁を擁して湖南の衆の餅搗きぬ
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機仕舞ふ一間広さや餅莚
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市の日の餅搗ほがら音すなり
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梅三分咲く餅搗の日取かな
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俳句無し
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俳句無し
1月10日
三千里(陸奥野辺地)M40
続三千里(伯耆堺)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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鼻焦がす炉の火にかけて甲羅酒
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鳶烏咬み合へる落つ田の氷
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山の雪にまぶれ来て渡る氷かな
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闃として砕氷船も横はる
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あら寒き縄手になりぬ田の氷
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俳句無し
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俳句無し
1月11日
三千里(陸奥野辺地)M40
続三千里(伯耆堺)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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千百里漂ひ来る海鼠かな
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海鼠の句覚えある君に邂逅す
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古への冕の形を海鼠かな
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海鼠突き大凡の数を読みけり
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埋もりもせずよ沙上の海鼠かな
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俳句無し
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俳句無し
1月12日
三千里(陸奥野辺地)M40
続三千里(伯耆堺)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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何処来て里に落ちたる吹雪かな
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一幅の枯蘆も見ゆ水滸伝
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雲模様ふゞくにや山のたゝずまひ
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休む間にふゞきつのりぬはたと止む
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灯台を見し戻りなる吹雪かな
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望み絶えし吹雪に便りある日かな
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防戦に焼かれし村や芦枯るゝ
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堆きの沙の寄りけり芦枯れて
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草枯の長づつみ蜜柑山のあり
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草枯や奇しくもニスの染まり雨
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草枯れて桀狗の尻や鉈尖り
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俳句無し
1月13日
三千里(陸奥野辺地)M40
続三千里(出雲松江)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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灯台に双棲の君や鳴く千鳥
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女名を呼ぶ岩のあり鳴く千鳥
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日頃寄せぬ港がゝりや鳴く千鳥
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千鳥鳴けばいつもの夜着を掛るなり
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灯あか/\と会すれば千鳥鳴くといふ
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俳句無し
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芝枯れし生垣の内外椿あり
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綱敷天神松生えず芝の枯れ/\に
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枯芝の奈良を見て宇治に宿る雪
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瀧見臺鋸屑埋む芝枯れて
1月14日
三千里(陸奥野辺地)M40
続三千里(出雲松江)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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沼移りしてつどひをる鴨小鴨
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老境を争ひかねて懐炉かな
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不覚なる病に寝じと懐炉かな
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毎日に暦見る老が懐炉かな
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いつよりか温石先生といはれけり
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腹にする懐炉と貧の財布かな
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松濃きに芦枯れて鴨遊びけり
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沼に落る星を見やるや鴨の声
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水鳥や両河の注ぐ洲のあたり
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凩の山裏紅葉温泉烟に
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俳句無し
1月15日
三千里(陸奥野辺地)M40
続三千里(出雲八束郡持田村)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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われがよに炭焚く客はありそもな
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摂生の俳諧境や蕪汁
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親のよな頭巾着るよな顔をして
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亭の名を夏季に思ふや置火燵
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鮫汁に昆布なめらかな凝りやう
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煮凝や七五三の祝ひの箸始
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湖泊りせし夜日暈を思ふ冴ゆ
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月明りに幻影の鷄の羽色冴ゆ
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君の絶つも償ふことの冴ゆるなり
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日々涸れて神慮に返る水や冴ゆ
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櫃の見る目甕のいふ口を冴ゆるなり
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幢幡に冴ゆる灯や風の裏返す
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俳句無し
1月16日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(伯耆境)M43
続三千里(播磨兵庫)M44
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俳句無し
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馬場の内無き茶屋幟冬田かな
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鳥網場の墓所山裾や水冬田
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兄の山に諺の弟の冬田かな
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鴨つきし裏田にいつの松こけて
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俳句無し
1月17日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(伯耆境)M43
続三千里(淡路洲本)M44
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君淋しと思ふ頃われも寒さかな
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炉に足を落すを何の合図かな
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炉話のそれとなく袂文や知る
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爐話にいつもの里諺活きて吐く
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俳句無し
1月18日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲玉造温泉)M43
続三千里(淡路洲本)M44
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葬ひの被衣古風な寒さかな
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雪荒れのせし日を雨に梅花見る
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旅痩の髭温泉に剃りぬ雪明り
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俳句無し
1月19日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲玉造温泉)M43
続三千里(淡路洲本)M44
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楯に似し岩めぐり鳴くは千鳥かや
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俳句無し
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俳句無し
1月20日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(山城京都)M44
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八珍の九鼎の食の冬籠
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安足袋と言はるれど行田縫目かな
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指詰りする足袋一つ持ち古りて
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組足袋も義足の主の褄ずれや
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白足袋の故となく僧めきて見ゆ
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舟になれし上陸もいそと足袋晴れて
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俳句無し
1月21日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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冬川と水塚や処一の宮
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冬川に打つ兎蓬食みしにや
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山迫る藪つゞき砂川の冬
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俳句無し
1月22日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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俳句無し
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俳句無し
1月23日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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俳句無し
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俳句無し
1月24日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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軍容を鳴る瀬大河や冬の月
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峯下りしは主僧追ふ事よ冬の月
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寒月や雪束の間の罠獲物
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俳句無し
1月25日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(海上十一宇和島)M44
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後仕手に浪の鼓や雪曇
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菊枯れて枝瘤見せつ梨棗
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砂明りせし垣さし出菊枯れて
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菊枯れて始めて据ん石を得つ
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柑子の下菊枯るゝ蘭もやたら植ゑ
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俳句無し
1月26日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(伊予松山?)M44
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針山をかりて夫婦が避寒哉
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海明し避寒の宿の山丸し
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汝が事に操りの役や冬籠
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冬籠りあへず啓蒙の閃めきに
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俳句無し
1月27日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(伊予松山?)M44
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縋り乗る避寒の宿の馬かりて
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防風林風致を添ふる避寒かな
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並松も南下りや返り花
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俳句無し
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俳句無し
1月28日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(伊予松山?)M44
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俳句無し
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布団好みする我と誤てるさへ
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庫裏の烟漲るに運ぶ蒲團かな
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俳句無し
1月29日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(伊予松山?)M44
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俳句無し
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木賊原に庭作る白山茶花や
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山茶花や木なし堤を宮に下りて
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俳句無し
1月30日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(伊予松山?)M44
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俳句無し
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俳句無し
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俳句無し
1月31日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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俳句無し
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遠洲好みの庭とや瘤木春淺し
1月
2月1日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲三刀屋)M43
続三千里(山城京都)M44
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漁師雇ふ判もすみけり春を待つ
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温泉の匂ひ衣に染む程や春隣り
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種揃へしておこすなり春隣
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春待や宿痾に堪へて憂ふ事
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論に似し長き文来る春隣
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春待て好事家と雛問答かな
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春待や何書を見ても得る所
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瓶の酒尽きざらん春隣ればや
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汐烟に解けし雪汁染みにけん
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紙所の千鳥の歌のクドキ振り
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放牧の洲濱の千鳥岩黒に
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俳句無し
2月2日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲杵築)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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魚肥寐かす洲寄り冬木に猫もゐて
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下萌の埒新た酪婦搾り捨つ
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下萌の明神社洞に汐鳴れり
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地に埋めし博士が壷や下萌えて
2月3日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲杵築)M43
続三千里(山城京都)M44
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鱈汁を祝ふ鍬鍛冶祭りかな
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幕垂れし内や吹革の祭り棚
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吹革祭秀真が鋳型何ならん
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遠方の鍬主見えぬ鍛冶祭
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御櫛笥あるに寒梅匂ふらん
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海辺山に武者の絵や初雷の句意
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初雷や此著ある善隣の學
2月4日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲杵築)M43
続三千里(山城京都)M44
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浦人や鯨の油幾日汲む
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鯨より沖漕ぐ日あり鯨舟
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今は絶えて鯨見ぬよし答へけり
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銛打て綱の命毛今や絶つ
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俳句無し
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慈姑など葭も忘れ芽淀春田
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首洗ひ井の森や春田落る水
2月5日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(出雲杵築)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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俳句無し
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親木ありと桑海の変を椿山
2月6日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(石見温泉津)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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俳句無し
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俳句無し
2月7日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(石見温泉津)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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俳句無し
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俳句無し
2月8日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(石見浜田)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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俳句無し
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四隣より掘り捨つる藪や梅見えて
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梅に下りて鉱山過ぎざりし悔のあり
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梅林跡なきを臥牛崗の寺
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江に洗足戎衣も脱がん梅の宿
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欞子など市に買ふ梅の主見る
2月9日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(石見浜田)M43
続三千里(山城京都)M44
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立春大吉と堂々と書して送りけり
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俳句無し
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暖かや売主の損に馬毛刈りぬ
2月10日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(石見益田町)M43
続三千里(山城京都)M44
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袖狭きも知らず奥人綿子かな
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雪消しの頃まで一つ綿子かな
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綿入の肩あて尚も鄙びたり
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喜ばしき時も淋しや置火燵
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俳句無し
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山霞む山にも運河紀念林
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三尺松鉢よきも見出づ昼霞
2月11日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(石見鹿足郡日原村)M43
続三千里(山城京都)M44
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棚落ちて立つ庖丁や年の暮
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封と共に裂ける手紙や年の暮
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俳句無し
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俳句無し
2月12日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(石見鹿足郡日原村)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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酒に挿せし梅を寿翁の座右にこそ
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墓所に下りし鳶見る日凧も遠き空
2月13日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(石見津和野町)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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俳句無し
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枸杞芽を摘む恋や村の教師過ぐ
2月14日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(長門萩)M43
続三千里(山城京都)M44
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雪を語り雪を品する話頭かな
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俳句無し
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俳句無し
2月15日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(長門萩)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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俳句無し
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城中の雨意島原や春の海
2月16日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(長門深川温泉)M43
続三千里(山城京都)M44
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故里の物を歳暮の返し かな
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学問に足らはぬ物を歳暮かな
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俳句無し
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朧夜やしさり出て黙暗誦の詩
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鶚鮓を探ねずや春の海邊行く
2月17日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(長門下の関)M43
続三千里(山城京都)M44
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論争の余焔をさます蕎麦湯かな
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蕎麦湯する背ろの音は鼠かな
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俳句無し
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古き市の名残住む濠や帰る雁
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雁去つて簀ほとりの家鴨雁鳴きす
2月18日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(長門下の関)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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春寒く賜杯の祝ひ舟を泛ぶ
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蝶螺山の春寒し柑子江に照りて
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肥料痩せをだまし葉もことし春霜に
2月19日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(長門下の関)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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迷宮の刻字とぞ春雁の聨伝ふ
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灰や撒きし田水かぶりの雁名残
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赴任ながら雁の行方の微行かな
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被り雲の峯すべりや東風かへす朝
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樓一二の名も今の世や江の一柳
2月20日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(長門下の関)M43
続三千里(山城京都)M44
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炉の灰の降るに硯をいとひけり
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俳句無し
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砂利とるは冬つぎ業に白魚簗
2月21日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(長門下の関)M43
続三千里(山城京都)M44
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俳句無し
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麩の色も想ひ出や斎の海苔の味
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俳句無し
2月22日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(長門下の関)M43
続三千里(山城京都)M44
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牛吼をする犬のをる雪囲ひ
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をろしたる雪磊塊と雪囲ひ
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雪囲ひして八師団倉庫かな
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雪囲ひ燃えなんとせし怪火かな
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散り布きし桃の上に雨の音あらん
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男山に祈ること梅に靄晴れて
2月23日
三千里(陸奥浅虫)M40
続三千里(長門下の関)M43
続三千里(摂津大阪)M44
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俳句無し
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踏みもあゑぬ雪解けて赦免ある日かな
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里平方先づ劃す井田雪解かな
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俳句無し
2月24日
三千里(海上陸奥丸)M40
続三千里(長門下の関)M43
続三千里(河内柏原)M44
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横著を乾鮭の口でいうて去る
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俳句無し
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俳句無し
2月25日
三千里(渡島函館)M40
続三千里(長門下の関)M43
続三千里(河内富田林)M44
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俳句無し
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再びせぬこの渡り凧も鳴る空や
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凧場近う勧農の翁迎へけり
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凧會のさかる見る船出又た延びぬ
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俳句無し
2月26日
三千里(海上十勝丸)M40
続三千里(長門下の関)M43
続三千里(大和奈良)M44
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俳句無し
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俳句無し
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直ぐな松の立つ神の井に梅添ひて
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大和への五十町梅は未だならん
2月27日
三千里(海上十勝丸)M40
続三千里(筑前八幡)M43
続三千里(大和奈良)M44
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俳句無し
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俳句無し
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俳句無し
2月28日
三千里(根室根 室)M40
続三千里(筑前八幡)M43
続三千里(大和奈良)M44
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かねて見し不折の筆の梅があり
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灯照らせば灯に微妙音涅槃かな
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涅槃像をあらは天草民家かな
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俳句無し
2月
3月1日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前小竹)M43
続三千里(紀伊学文路)M44
-
俳句無し
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艶話など罪許る端に朧なる
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所菜も温泉漬の味や朧夜に
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山陰去りあへず山陽の文朧夜に
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北よりす果て南人や待つ朧
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俳句無し
3月2日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前小竹)M43
続三千里(紀伊高野山)M44
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灯台の人も岩海苔搔く日かな
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岩海苔にかゝるゝ貝の蘇枋かな
-
島海苔を太布のやうに畳みけり
-
海苔汲みは汐汲女にや塩烟
-
掛け初めし昆布も春なり海苔を干す
-
灸にかへて持薬に戻る春浅き
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蝦はぢく掻藻の弦音春浅き
-
春浅き水郷の神か礫森
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獄中講書司獄勧めぬ春浅き
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俳句無し
3月3日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前小竹)M43
続三千里(紀伊高野山)M44
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俳句無し
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俳句無し
-
俳句無し
3月4日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前博多)M43
続三千里(紀伊高野山)M44
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耕牛の晩帰を家鴨鳴きにけり
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俳句無し
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俳句無し
3月5日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前博多)M43
続三千里(海上扶桑丸)M44
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春の水古芝網にかゝりけり
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俳句無し
-
俳句無し
3月6日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前博多)M43
続三千里(紀伊田辺)M44
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囀や春菊一花珠光る
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囀や子安地蔵の高い木に
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囀や綺語にも残る山と水
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囀や閭に凭る少婦見る時に
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裏富士の囀る上に晴にけり
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磯岩に飛び岩の鵜も余寒かな
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酔うて書きしも文意透徹春寒し
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椽をありく鳩にも落花思ひ見る
3月7日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前博多)M43
続三千里(紀伊田辺)M44
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俳句無し
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雉鳴くや谷の尾慼む丘たゝみ
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雉鳴くや鍬目もかほど口大野
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雪も處々樺の枝鳴りを立つ雉か
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躑躅甘き香の靄晴れを雉鳴て
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雉鳴くや八つ晴れ機の山秩父
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俳句無し
3月8日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前博多)M43
続三千里(紀伊田辺)M44
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雪解水書架の上より流れけり
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橋柳と見るに塚木や札の立つ
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柳筆など木母寺にあるなるべし
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やがて住むと柳堤も見榮えせり
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梅柳身は飛梅の名残とも
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俳句無し
3月9日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前博多)M43
続三千里(紀伊田辺)M44
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俳句無し
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史微闡けて洞窟聞ゆ霞かな
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天の鳥船のことも出雲野霞かな
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俳句無し
3月10日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前博多)M43
続三千里(紀伊湯崎温泉)M44
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寐牛とも石とも見えて草萌る
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下萌や石置いて亭を営むと
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四蹄白の二歳たのもし草萌る
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何の矢の羽含む土や草萌る
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雛の日の寄り昆布長がを結はん物
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道中雛右富士の松むら立てる
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紙礫打たれん雛が下座にゐて
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雛立てゝ見まさるを言ひ淀まずも
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俳句無し
3月11日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前博多)M43
続三千里(紀伊田辺)M44
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熊坂の雛ゆゝしさや能衣裳
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右近桜あれど守る雛なかりけり
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うらゝかや教へも倦まで遊ぶ時
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わしが城と川舟唄もうらゝかに
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迎合の説にも敷衍うらゝにす
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隨意散歩許りて綱引もうらゝなる
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三韓を壓すものうらゝ帆印も
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俳句無し
3月12日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前糸島郡芥屋)M43
続三千里(紀伊田辺)M44
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上解けの氷に藻草緑なり
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流氷のいつ戻りけん冴え返る
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暖潮の押し勝つ汐の流れかな
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名匠に待つ月日水も温む頃
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借り主の分取り犢や水温む
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孳け日割追はるゝを水温む主
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木蓮が蘇鉄の側に咲くところ
3月13日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑前博多)M43
続三千里(紀伊西牟婁郡近露村)M44
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この牧の馬売られけり鳴雲雀
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埒越えて飛ぶ馬もあり鳴く雲雀
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牧場にせよと野に鳴く雲雀かな
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雲雀の句野に住む人の所望かな
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麦の中菜種横野の人馬かな
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俳句無し
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俳句無し
3月14日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑後大牟田)M43
続三千里(紀伊東牟婁郡峰湯)M44
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俳句無し
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俳句無し
-
俳句無し
3月15日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑後大牟田)M43
続三千里(大和十津川村字神下瀞)M44
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ふぐり重き病なりしが冴返る
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竜鱗の片影雲の冴返る
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俳句無し
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俳句無し
3月16日
三千里(根室根室)M40
続三千里(筑後八女郡黒木)M43
続三千里(紀伊新宮)M44
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一番の渡り漁師や雪解風
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浦風や雪解なぐれの寄り昆布
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俳句無し
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俳句無し
3月17日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前佐賀)M43
続三千里(紀伊新宮)M44
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俳句無し
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春山や艾処の軒端なる
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春山處々の岩あらは音もなき流れ
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俳句無し
3月18日
三千里(根室根室)M40
続三千里(長門下関)M43
続三千里(紀伊新宮)M44
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俳句無し
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俳句無し
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俳句無し
3月19日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前長崎)M43
続三千里(紀伊新宮)M44
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横額に煙浦の帰雁とぞ見ゆる
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賑やかな町に寺ある柳かな
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俳句無し
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俳句無し
3月20日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前長崎)M43
続三千里(紀州木ノ本)M44
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大きなる港に作る霞かな
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熊の来て牛闘ひし霞かな
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岩燕鳴く靄晴水の虹見えて
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三名城の一に人馬を飛ぶ燕
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燕下りて凪を語ると塩田人
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戦場が原の風岩燕颺る空
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俳句無し
3月21日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前長崎)M43
続三千里(志摩鳥羽)M44
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俳句無し
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俳句無し
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俳句無し
3月22日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前長崎)M43
続三千里(志摩鳥羽)M44
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俳句無し
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大音寺山吹に黄楊や刈るを見し
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俳句無し
3月23日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前長崎)M43
続三千里(志摩鳥羽)M44
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初午や古き伝へえ廓稲荷
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初午や室町辺も鳴る太鼓
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酒鬼の口のいらとかはくに山を焼く
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山姥や山焼くあとの草乳を
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ひもろぎの火も借る兒や山焼衆
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俳句無し
3月24日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前長崎)M43
続三千里(志摩鳥羽)M44
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淡雪や氷跡なき湖の上
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淡雪や蚕神祭の幟立つ
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一しきり蟹とるゝ海や春の雪
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俳句無し
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俳句無し
3月25日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前長崎)M43
続三千里(伊勢古市)M44
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俳句無し
-
俳句無し
-
俳句無し
3月26日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前長崎)M43
続三千里(伊勢古市)M44
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蕨食うて兎毛変りしたりけり
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蓑笠と干しある物は蕨かな
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汝獄卒と憐む旅や雉の声
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磧石飛び草模様行く雉子
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軍用に石取りぬ荒墟鳴く雉子
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雉鳴くや双捿の教化日記にす
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直ぐな馬場も柑子の神と囀れる
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囀や梛の熊野に桃李園
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春の風九里峽二十五里奥のあり
3月27日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前長崎)M43
続三千里(伊勢古市)M44
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貝を生けし笊沈めしが水ぬるむ
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蜻蛉虫おぞき這ひけり水温む
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井戸水に蠛見えそめ温みけり
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朝寐する異な旅人や温む水
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礎に門と見る大樹春日かな
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奉額の網を搏つ旗春日かな
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俳句無し
3月28日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前長崎)M43
続三千里(伊勢松坂)M44
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山焼けば狐のすなる飛火かな
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焼野来し川風に乗る渡しかな
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火のがれをせし野の狐狸が談議かな
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蝦夷に渡る蝦夷山も亦た焼くる夜に
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土人住む尺地もなげに焼野かな
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俳句無し
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花の歌の三十六鈴の主
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伊勢大観宣長山や鳴雲雀
3月29日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前佐賀)M43
続三千里(伊勢津)M44
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船卸しせし旗の上や凧の数
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牧場の柵に上るも凧場かな
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凧の絵の青黛鎗の権左かな
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菜の花や軍談智恵の固め藪
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菜の花を畫かばや酒銘ふさはしき
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吃り癒え易く菜の花に外出の日
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俳句無し
3月30日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前唐津)M43
続三千里(大和月ノ瀬)M44
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奇瑞なる白雉の年の大赦かな
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難所なる蠑螺上りや雉の声
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雉罠にかゝりしを狐食みにけん
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雉子塚残りて野人哀れめり
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俳句無し
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伐り残る梅と思ふに山も禿げて
3月31日
三千里(根室根室)M40
続三千里(肥前伊万里)M43
続三千里(近江日野)M44
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俳句無し
-
俳句無し
-
俳句無し
3月
4月1日
三千里(根室根室)M40
*
続三千里(近江大津)M44
-
俳句無し
*
-
俳句無し
続三千里(肥前佐世保)M43
-
俳句無し
4月2日
三千里(根室根室)M40
*
続三千里(近江大津)M44
-
俳句無し
*
-
俳句無し
続三千里(肥前佐世保)M43
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埋立碑の築地崩れや芦の角
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齒も染めぬ芦の角髪藻垂れ鬢
4月3日
三千里(根室根室)M40
*
続三千里(近江大津)M44
-
俳句無し
*
-
俳句無し
続三千里(肥前佐世保)M43
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情事話頭に兵塵想ふこの柳
4月4日
三千里(海上釧路丸)M40
*
続三千里(近江彦根)M44
-
客として珠履を躡み出づ雪解哉
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南方にホ句の浄土の霞かな
*
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俳句無し
続三千里(肥前長崎)M43
-
俳句無し
4月5日
三千里(海上釧路丸)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
客として珠履を躡み出づ雪解哉
-
南方にホ句の浄土の霞かな
*
-
俳句無し
続三千里(肥前長崎)M43
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この印綬父老知らず草霞
4月6日
三千里(釧路釧路)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
俳句無し
*
-
蝶そゝくさと飛ぶ田あり森は祭にや
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花高かりし籔の道蝴蝶群れて
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渡臺紀念の紅竹や蝶も針したり
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海札所畑貝殼の飛ぶ蝶か
続三千里(肥前長崎)M43
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鶯や峡の戸なりし飛山に
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鶯の附け親の廃たれ尚ほ愛でし
4月7日
三千里(釧路釧路)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
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薮の中の家の花見ゆ春の月
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姉沼の謂ればし知る朧月
*
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俳句無し
続三千里(肥前長崎)M43
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木薊の枝照りを小松野に出でゝ
4月8日
三千里(釧路釧路)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
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あらはなる岩に虎杖林かな
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虎杖やガンビ林の一部落
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焼石に虎杖角を出しけり
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虎杖や古屯田の墓所構
*
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狐狸を徳とす藪主に草餅日あり
続三千里(肥前長崎)M43
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餅蓬も雪交り摘みし首途かな
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草餅や鎌事が坐右に日反る物
4月9日
三千里(十勝河西郡芽室村)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
俳句無し
*
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衣冠思へば皆春風の熊野落
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春風の鸚鵡石吉備津遊女等が
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磧兎を撲つためし桑に摘む蓬
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草餅や地多酒と此地青年と
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かゝる住居も傾斜果園や梅もあり
続三千里(肥前長崎)M43
-
俳句無し
4月10日
三千里(石狩落合)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
俳句無し
*
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瀬全き水となり伊吹落つ燕
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蟲糞の桑春風の藪ほてり
続三千里(肥前長崎)M43
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酒ざゝんざ金比羅雨の凧潰れ
4月11日
三千里(石狩旭川)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
炉畳みのはみいづる藁を侘にけり
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木像の眼の射る我炉塞ぎけり
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駅鈴をしばきく日なり炉塞ぎぬ
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三つの炉の榾炉はいつか焚ずなりぬ
*
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厄介一茶來て燕も巢にをる日
続三千里(肥前長崎)M43
-
俳句無し
4月12日
三千里(石狩旭川)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
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門いづこ家ある池や蘆の角
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蘆芽ぐみ水満ち漁網新たなる
*
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俳句無し
続三千里(肥前長崎)M43
-
俳句無し
4月13日
三千里(石狩旭川)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
屯田の父老の家のかすみけり
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春雨や何彫る君の不退転
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井田のベベツ小村や春の雨
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春雨や諸国荷船の苫の数
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種馬につけにやりけり春の雨
*
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俳句無し
続三千里(肥前長崎)M43
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俳句無し
4月14日
三千里(石狩旭川)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
俳句無し
*
-
俳句無し
続三千里(肥前長崎)M43
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洗足は雨溜め水か鳴く蛙
4月15日
三千里(石狩旭川)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
俳句無し
*
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入り口は日永大和を山河内
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何を遠目海辺歩測を日永人
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棕梠葉刈も夏めきぬ峡の日永鷄
続三千里(肥前長崎)M43
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俳句無し
4月16日
三千里(石狩深川)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
俳句無し
*
-
戰機失せしも兄弟の情日は永し
続三千里(肥前長崎)M43
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岬宮の芽芝青きを汐干きし
4月17日
三千里(石狩札幌)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
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貸家に厩あるなり落椿
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忠魂堂塔中にある椿かな
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椿谷蛇の池ありて山路かな
*
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俳句無し
続三千里(肥前宇久島神ノ浦)M43
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魚活けて我待てばけふも/\東風
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石垣住居する家の花に楪が
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舟行百里と碑林の記にも春の水
4月18日
三千里(石狩札幌)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
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ふためきて蚕掃きしが別れ霜
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春霜や接台植うる蜜柑山
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根ッ子焼く烟絶えずよ春の霜
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掛け昆布や霜の名残の三棹程
*
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俳句無し
続三千里(肥前佐世保)M43
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鰭魚より口魚を獺の祭りやう
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獺魚を祭る三湖の岩いづれ
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浪ずれにともる藻か獺の祭寒む
4月19日
三千里(石狩札幌)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
俳句無し
*
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大凧の威張れり森の鬨聞ゆ
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からげヨマの鹵獲など凧の陣撤す
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さぐり凧をあしらう上手帶屋凧
続三千里(肥前長崎)M43
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俳句無し
4月20日
三千里(石狩札幌)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
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いち遅き船も卸しぬ青を踏む
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当代の文君見ばや青を踏む
*
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藤樹書院は宮境内か水温む
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堅田までは水温む魞も汲みつ來て
続三千里(肥前長崎)M43
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春の夜や長汀を行く曲浦の灯
4月21日
三千里(石狩札幌)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
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黄金なす病む蚕哀む掌
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蚕糞捨てる芍薬園や伝習所
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釘責めて蚕棚作りやまだきより
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四眠起三立て四立てになりにけり
*
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五島戻れば港奥ある夕柳
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湖の水引濠の柳湖畔より
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造船所柳や官舎花まだき
続三千里(肥前島原東有家村)M43
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俳句無し
4月22日
三千里(石狩札幌)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
俳句無し
*
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御手植の鍬と扈従や鳴雲雀
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鳴く雲雀宮を三巻の縄綯へり
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伊勢大觀宣長山や鳴く雲雀
続三千里(肥前島原東有家村)M43
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潜水夫の喞筒の音にや月朧
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月朧網捨石に飛ぶ鯔か
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鳴く蛙囚屋移りて濠のあり
4月23日
三千里(石狩札幌)M40
*
続三千里(美濃江崎)M44
-
俳句無し
*
-
俳句無し
続三千里(肥前島原)M43
-
俳句無し
4月24日
三千里(後志小樽)M40
続三千里(甲斐御嶽昇仙橋)M42
続三千里(美濃江崎)M44
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閘門を藻草閉ぢけん汐干かな
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俳句無し
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庭杉菜刈る遅し巣立ち巣がへ鳥
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鶴巢くひし争議天下のお白洲に
続三千里(肥後熊本)M43